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 短編 銀魂夢小説 『 俺のとなり 』


 + 第 1 話

 

また、こんなとこで寝てやがる・・・


深夜、俺が帰るとこたつで気持ち良さそうに寝てる姿が目に入った




まあ、無理もねーな・・・こいつも疲れてたみたいだしな。


このところ、俺達はお互いの仕事が忙しすぎてろくにしゃべってもいない


今日も本当は早く帰れるはずだったが、結局急な事件で帰ってやれなかった



 『トシっ!今日は早く帰れる?今日は私、早くあがれそうなんだけど・・・』


 「行ってみなきゃわからねえが、今日なんかあんのか?」


 『そういうわけじゃないけど、なんとなーく晩御飯くらいトシと一緒に食べたいなと思って・・・』


 「まあ、努力はするが・・・期待はすんなよ。」



そう言った俺の言葉の前半だけ聞いて、お前は嬉しそうにしながら、「仕事行ってくるねっ!」と言いながら

家を飛び出していった。


そんな後姿がお前らしくて・・・





「すまなかったな・・・お前は俺と一緒でホントに 幸せなのか?」


そう寝ているお前に問いかけながら、起こさぬように 額にそっとキスをした


いつ死ぬかもしれない俺を待つ、そんなことがお前の幸せなのか・・・


そう心のどこかで思いながら、それでもお前を手放すことなどできそうにない





「う〜っ、トシ〜やだよう・・・別れない。」


突然の寝言に 『起こしたかっ!?』 と驚いた俺の目に飛び込んだのは頬を伝うひとすじの涙。


起こしたかと思ったが、どうやら起きてはいないらしい



「俺の知らねえとこで泣くんじゃねーよ」


そういいながら、涙を舌で舐めとるとくすぐったそうにお前は身をよじる



『頼まれても、俺の方が別れてやれそうにねーんだよ。わかってんのか・・・』




たとえ、それがお前の幸せじゃないとしても。


俺にとっては幸せなんだよ。





コタツからベッドへ運ぼうと抱きあげると、首にすがりついて 「トシ〜」と何度も俺の名前を呼んでくる。


 『何の夢みてんだよ・・・』


そんなお前が愛しくて、可愛くて。


「愛してんだ・・・どうしようもねー」


普段はめったに言葉にしない。もっと言葉にできたなら、お前を安心させてやれるのかもしれない。




ベッドまで運ぶと俺も我慢できそうない。


『明日、怒るかもな・・・』そう思いながら、口付けると 「んんっ」といつもどおりのお前の唇からは甘い声が漏れる




怒ったり、泣いたり、笑ったり・・・明日のお前は、俺の隣で笑ってくれるだろうか


そんな気弱なことを考える自分に


『らしくねーな・・・。こいつと出会ってから』 とつぶやいた。





- 翌朝 -


「じゃあ、トシ行ってくるねっ!今日こそ早く帰ってきてね!」


「ああ、今日は期待してろ」


俺のその言葉に心から嬉しそうな笑顔で、お前は出て行った。




その笑顔で、俺がどれだけ救われてるか。お前は知ってるか?



「お前はずっと、俺の隣で笑ってろ!」


ベランダからお前に声をかけると、こちらに振り向きながら


「?なーにー?トシーーー聞こえなかったんだけどぉぉぉぉーーー」


と聞き返してきた


「なんでもねーよ、気つけて行けよっ」


そう言ってやると満面の笑みで手を振ったお前。




お前はずっと、俺の隣で笑ってろ 俺が死ぬまで。




 



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